津守 貴之 ゼミ

津守 貴之 (教授)
スローガンは「独立不覊」

基礎研究では、何をするのですか?

1~2年次の基礎研究では現在の経済問題やそれに対する政策の内容を知り、それを考察する視点と基礎的な情報収集能力を参加者全員が持つことを目的としています。

たとえば現在の日本経済の再生のための政策(アベノミクス等)が内容なのか、それは適切なものなのか、あるいは世界経済の動向はどのようになっているのか、それはどのような構造から生まれ、それに対して主要各国はどのように対応しており、それはどのようなメリットとデメリットを持つのか等です。これらの論点についての最近の代表的な本を選び、それを材料として資料の収集や分析を行い、参加者間で議論していきたいと思っています。

卒業研究では、どんなことをするのですか?

3~4年次の卒業研究では経済と企業経営を物流現象から見る視点と方法を身に付けることを目的としています。現在の経済はマネー経済が極端に主導する状況にありますが、もともと社会の富はモノとサーヴィスの生産によってなされています。またサーヴィスはモノとセットにならなければ生産も消費もできません。そしてモノの生産に必ず必要になるものが物流です。生産におけるモノの流れも生産から消費へのモノの流れも全て物流です。そしてグローバル化の進展は物流を飛躍的に重要なものとしています。

このようにほとんどの経済・経営現象は物流という視点で見直すことが可能です。卒業研究ではこのことを踏まえて世界経済や東アジア経済、日本経済、地域経済といった空間的な市場とその仕組みや企業経営、さらには官公庁の政策・施策のあり方等、多様な分野を物流という視点から再整理してもらいたいと思っています。この卒業研究を仕上げることによって、経済・経営・会計を見る際に、他の人とは異なる眼を持つことができるようになるでしょう。

 

 先生がゼミで大切にしていることは何ですか?

津守ゼミでは「独立不覊(どくりつふき)」がスローガンとなっています。「独立不覊」とは、他者に縛られず自らの意志と能力と責任によって判断・行動することを意味します。

津守ゼミでは、テレビや新聞、雑誌等だけではなく、自らの足や眼で収集・確認した情報を自分で分析し、それにもとづいた判断と行動ができる人になることを基本方針としています。世界はグローバル化が進むだけでなく、ますます不透明な状況となってきています。津守ゼミでの活動を通して「独立不覊」の心構えでこれからの世界でタフに生き抜き、困っている人達を助けることができる人になってほしいと思っています。

               

ゼミ生の声
  • 私たち津守ゼミはおおむね1、2学期で学部内他ゼミ(昨年度は松本ゼミ、張ゼミ、田口ゼミ、岸田ゼミ)とのディベイト大会の準備・実施を、3、4学期にはロジスティクスをテーマに企業や官公庁の訪問・取材とそれにもとづいた分析の発表を行っています。津守ゼミの最大の魅力は、実際に業界や企業、官公庁で働く方々のところに行き、現場の生のお話しをうかがえること、それによって本や雑誌、新聞等では得られない情報を得ることができること、取材という情報収集の仕方とそれにもとづいた分析能力を身に付けることができることにあります。またディベイト大会、取材ともにチームで行うため、集団での作業のトレーニングになります。 (近藤京介 3年生)