玉井暁子さん(PwCあらた監査法人)

玉井さんは、PwCあらた監査法人に勤務されていますが、現在の仕事内容について教えて下さい。

現在、第2製造・流通・サービス部(化学・医薬・エネルギー・産業財)に所属し、主に東証一部上場企業の財務諸表監査を担当しています。 公認会計士は、金融庁の公認会計士・監査審査会が実施する試験に合格した後、2年間の実務経験と会計教育研修機構などが実施する実務補習を受ける必要があります。そのため、監査法人で実務経験を積みながら、実務補習所へ通っています。

PwCあらた監査法人を選んだ理由

2014年の公認会計士論文式試験に合格した後、すぐに東京で就職活動を行いました。監査法人への就職活動は、法人説明会から最終面接までが約1か月という短期間で行われるため、合格発表があった日から生活が一変したのが印象的でした。

毎日のように法人説明会や面接で様々な職階の方の意見を聞きながら、公認会計士という仕事への理解を深め、働くということを具体化させていたように思います。最終的には、年次が浅いうちから様々な仕事に挑戦できる風土に惹かれ、PwCあらた監査法人への入所を決めました。

公認会計士の魅力

公認会計士とは、監査及び会計の専門家です。公認会計士の独占業務として規定されている監査証明業務の最終成果物が、監査報告書です。公認会計士は、経営者が作成した財務諸表が一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況をすべての重要な点において適正に表示しているかどうかについて意見を表明します。監査報告書は、一般に公開されている有価証券報告書に添付されているため、誰でも目にすることができます。

財務諸表は、企業で日々繰り広げられている業務が積み重なり、数字に落とし込んで集約した情報の塊のようなものです。そのため、監査では、出てきた数字と実際の業務フローや実体経済との不整合を見抜く力や、数字と実態との乖離を埋める情報を聞き出すコミュニケーション力が肝になると感じています。

監査を進めていく中で、不正・誤謬を識別することや、クライアントが非効率的な業務を行っていることに気付くことがあります。その気付きを伝え改善を促すことで、適切な財務諸表の作成、さらには健全な企業経営の実現に貢献することができると感じています。また、公認会計士は「企業のお医者さん」と言われることもありますが、企業そして社会の健全化に寄与できる点が公認会計士の魅力であると思います。

後輩へのアドバイス

公認会計士を目指すようになったきっかけは、高校の文化祭にあります。文化祭の会計を担当し、文化祭全体を成功に導く大前提としてお金の管理があるということを知り、会計に興味を持つようになりました。もともと会計に興味があったから文化祭の会計係になったわけではなく、やむをえず会計を担当することになったのですが、その経験から学んだことが、自分の進むべき方向性を決めてくれたように思います。

社会に出ると、「あのときにやっておけば・・・」の連続です。大学生のときと比べると自由に使える時間が極端に少なくなりました。時間があるときこそ、やらないよりやった方がいいと感じたことを貪欲に試してみることをおすすめします。

私の大学生活は、興味のあることを増やし、知識を広げていくことが軸にあったように思います。大学進学と同時に簿記3級の勉強を始め、公認会計士試験に挑戦することで、体系的に整理しながら知識を身につけることを学びました。また、大学の講義を通じて、会計だけでなく、経済学、経営学、統計学などにも興味を持つようになりました。特に図書館で過ごす時間が好きで、大学の図書館と県立図書館に足しげく通ったのは良い思い出です。

社会人になってから、視野を広げ、知識を深めていく姿勢を持ち続けることの重要性をより強く感じるようになりました。PwCあらた監査法人では、海外との人事交流が活発に行われています。突然目の前で英語の電話会議が展開されたときは、かなりの衝撃を受けました。そのような環境下で日々を過ごしていると、岡山で過ごしていたときには遥か遠くに感じていた世界というものが、随分現実味を帯びてきました。PwCグローバルネットワークは、人や知識を結び付け、企業や社会が抱えるさまざま課題を克服しています。あらゆることを実現することのできる環境にいるからこそ、自己研鑽し、何かしら挑戦していきたいと思っています。 

何を軸に経験し学んでいくかは、自分らしさがでるところであり、何かに本気で取り組んでみると就職活動でも仕事でも自分を支えてくれると思います。皆様、どうか有意義で充実した大学生活をお過ごしください。

2013年3月卒業、岡山県立岡山朝日高校出身、PwCあらた監査法人勤務

( 2015年7月)

写真撮影:村澤良介