国立大学法人 岡山大学

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岡山大学生による製品のCO2排出量可視化チャレンジ成果報告会を開催

2024年02月09日

 本学は2月7日、岡山県商工会連合会との連携・協力協定に係る取り組みの一環として今年度実施した、企業のCO2排出量可視化を目的としたワークショップの成果報告会を開催しました。カーボンニュートラルを実現するためには、サプライチェーン全体での温室効果ガスの排出削減を進めていくことが重要であり、その前段階となる個々の企業が温室効果ガス排出量を可視化する「カーボンフットプリント(CFP)」が注目されています。
 本取り組みでは、管理会計・原価計算を専門とする学術研究院社会文化科学学域(経済)の天王寺谷達将准教授の研究室に所属する学生が、商工会会員である株式会社ホリグチ(倉敷市真備町)が製造する4種類の製品について、経済産業省・環境省が昨年5月に発表したガイドラインに基づいたカーボンフットプリントの算定に挑戦しました。
 報告会には県内の中小企業や金融機関等の支援機関から約50人が参加。学生たちから4種類の製品のCFP算定結果についての説明や、CFPを世の中に広めるための方策等についてのプレゼンの後、参加者を交えてCFPの算定方法や普及方法について活発な議論を交わしました。学生たちは、今回のチャレンジについて「CFP算定の過程は管理会計・原価計算と通じる部分が多く、学んだことがこういった領域にも活かせることがわかって良かった。この経験を後輩にも伝えていきたい」と話しました。
 また、参加した同社の堀口真伍社長は「本当に貴重な経験をさせてもらった。CFP算定のためのデータを集める過程で、どの原料、工程で多くCO2が発生しているのかを深く理解することができた。今回の経験を生かし、少しでも脱炭素経営に近づけるよう再エネの導入や調達方法・廃棄方法の見直し等に取り組んでいきたい」と話しました。
 天王寺谷研究室では、今回の経験を生かして来年度も岡山県商工会連合会との連携により、県内の中小企業とともに同様のワークショップを実施する予定です。

※カーボンフットプリントとは、製品やサービスの原材料調達から廃棄、リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出されるGHGの排出量をCO2排出量に換算し、製品に表示された数値もしくはそれを表示する仕組みのこと。
出典:カーボンフットプリント ガイドライン(経済産業省、環境省)

岡山県商工会連合会
県内20の商工会を会員とし、各商工会の指導、商工業に関する情報収集・調査研究、経済団体との連絡・連携などを担う。商工会は、小規模事業者等を対象とした経営支援事業を行うとともに、文化事業なども実施し、地域振興に関して大きな役割を果たしている。2021年5月に、地域の発展とSDGs の達成へ貢献することを目指して、岡山大学と連携・協力に関する協定を締結。

株式会社ホリグチ
倉敷市真備町に本社を置き、オフィス家具や建築家具等の木工製造業を営む企業。オフィスデスクの天板メーカーとして全国のオフィス家具メーカーとの取引を行いながら、岡山県産のヒノキ材を使ったこだわりの家具づくりも手掛ける。

<これまでの活動記事>
・2023年7月20日:本学学生が企業と製品のCO2排出量可視化にチャレンジする取り組みを開始
・2023年9月28日:CO2排出量の可視化を目指して学生たちが工場を見学しました

本学は、このような大学の知と技を活用した、産業界・経済界のみなさまの課題解決を推進しています。ご相談がございましたら、お気軽に下記問い合わせ先までご連絡ください。

【本件問い合わせ先】 
研究協力部 産学連携課 舩倉
TEL:086-251-7151

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