赤澤美香さん(高等学校卒業程度認定試験)


はじめまして!経済学部会計プロフェッションコース4回生の赤澤美香といいます。

私は高等学校卒業程度認定試験合格を経て岡山大学へ入学しました。管理会計のゼミに所属しており、和田 淳三先生のもとで学んでいます。今回は、これまで受講した中で特に印象に残っている、実践コミュニケーション論という授業での体験をお話します。

1.本講義の概要
この授業は経済学部・工学部の学生が合同で行い、5~6人のチームを組んで行います。普段の授業のように座学中心ではなく、グループワークや発表場面が多いのが特徴です。

前半では、基礎スキル学習と題し、ディスカッションを行う際のポイントやアイディアを創出するための手法を学びます。ここで学んだ知識は、グループワークや発表を通じて体得を図ります。 後半では、協力企業または地域社会から課題を与えられ、チームでそのタスクに挑戦します。前半で習得したスキルも活用しつつ、最終発表へ向けてアイディアを練り上げていきます。

最後は、協力企業やマスコミの前でその成果物を発表します。チームごとに審査を受け、最も得点の高かったチームが優勝となります。 この過程で社会人基礎力を磨けるのが醍醐味です。

2.受講目的
自分の対人能力が低いという認識があったからです。私は人と話すのがあまり得意ではなく、人前で発表するのも苦手でした。そのため、そんな自分を変えることに繋がればと思い、この授業へ参加することに決めました。

実際、初回講義の後にPROGテスト(社会人基礎力を測定する試験)を受検したのですが、測定結果は対人基礎力がやはり低く、今後の課題になることが指摘されていました。その意味でも、私は対人基礎力を最も伸ばそうと意識して授業に臨みました。

3.苦労したこと・大変だったこと
グループワークにおいてメンバーの意見を統合したり、擦り合わせたりするのに時間がかかったことです。私は、できるだけ沢山のアイディアを出そうと考え、思いついたことはどんどん発言するようにしていました。しかし、その分議論が発散してしまい、逆に意見を取りまとめるのが大変になってしまうことも多々ありました。

そのため、演習の始めに大まかな時間配分は決めていたものの、意見の収束に時間をとられてしまい、それをグルーピングしたり、発表準備をしたりする作業へ回す時間が足りなくなってしまったのです。結果として、制限時間内に課題を消化できず、中途半端な成果物のまま、発表せざるを得ない状況がしばしばありました。このとき私は、議論の方向性をもっと明確に決めていれば、こんなに時間がかからずに済んだのに、と後悔しました。ときには他の班と比較してしまい、自分のグループは作業効率が悪いのかな、と落ち込んでしまったことも覚えています。

しかし、失敗をバネにするつもりで他のチームの成果物から何か学べるものはないか、と探すようにもしました。すると、デシジョンテーブルやマトリックスを効果的に使うことで議論のプロセスやアイディアの分類が上手くできており、自分の班でも参考にしたいと思える材料が見つかりました。 そこで、次の議論からはその長所を取り入れようと考え、「こういうツールを利用すれば意見を統合しやすくなるんじゃない?」とメンバーへ提案するようにしました。そのように改善を重ねていった結果、グループワークも回数を重ねるにつれ、時間内にまとめることが徐々にできるようになっていきました。

そして、最終発表ではなんと、自分のグループが優勝することができました。まさか、自分のチームが優勝するとは思っていなかったため、結果を知った時は大変驚いたというのが正直な気持ちです。始めは、改善点ばかり指摘されていたチームでしたが、そうした課題を皆で乗り越えようと協力し合い、幸いにもこうした結果を頂けたことに感謝しています。この講義での経験は、チームとしての成長を実感できた、非常に実りある思い出となっています。

4.実践コミュニケーション論Webサイトの完成
受講生5人が有志で集まり、広報活動の一環として本講義Webサイトの企画・立案を行いました。この講義での経験をもっと多くの人に味わってもらいたいと思い、私も参画しています。具体的には、サイトデザインやカテゴリーの決定、プロモーションビデオに使う写真や動画の選定など、全て学生達で考えました。しかし、詳細点の決定や追加修正に予定以上の時間を費やしてしまい、残業する日も多々ありました。それでも、納得いくまで話し合った結果、メンバーのこだわりがよく反映されたWebサイトに仕上がったと思います。 

制作に際しては、印刷会社の営業マンやデザイナーとも打ち合わせを重ね、この授業のことがより効果的に伝わるようにと、工夫を図っていきました。どうすべきか分からない部分に関しても、助言も与えていただき、今振り返ると本当に頼りになるパートナーだったと感じています。また、Webサイトとプロモーションビデオの試作品に関しては、先生方もコメントを寄せて下さり、自分達では目がいかなかった改善点にも気付くことができました。結果として、よりユーザビリティの高い成果物へ繋がったと思います。 

こうして、先生方、協力企業の皆様、印刷会社の方々、本当に多くの人の協力のもと、完成までこぎつけることができました。お世話になったこの授業へ、恩返しできたことを嬉しく思います。このサイトを見て講義に興味を持ち、参加したい、と思ってくれる方が1人でも増えたら、これ以上の喜びはありません。

完成したWebサイトをよかったら、のぞいてみて下さい!
きっと、自分を大きく変えるチャンスが見つかると思います。

 

2012年度入学、和田淳三ゼミ