東 雄大

1. 地域労働市場におけるジョブ・マッチング

地域労働市場は独立しておらず、地理的に近接した地域同士が互いに影響し合っていることを示す空間的相互依存関係にあると考えられます。このような地域労働市場における求職者と求人のマッチングに関する実証研究を行っています。
Higashi (2018)では、ある地域における求職者と求人のマッチングは当該地域に加え近隣地域の求職者と求人から影響を受けるという空間的スピルオーバー効果の存在を示しました。これは、求職者が地域を越えた職探しを行うことで、異なる地域労働市場間の求職者同士が職をめぐって競争していることを示唆します(図1)。また、この効果は東日本大震災により、被災地周辺で一時的に増幅したことが明らかになりました。
Higashi (2020a)では、東日本大震災は、直接被災した地域だけでなく、近隣地域においても労働市場逼迫度を増大させて人手不足を招いたことや、求職者と求人のマッチング効率性を悪化させたことが明らかになりました。

図1:ジョブ・マッチングにおける空間的スピルオーバー効果

2. ジョブ・サーチに対する集積効果

Higashi (2020b)では、非就業者が職探しを行うかどうかという決定に対して、地域労働市場の産業集積がどのような影響を与えているのか、個人属性の異質性に注目して実証研究を行っています。

Reference

[1] Higashi, Y. (2018) “Spatial spillovers in job matching: Evidence from the Japanese local labor markets,” Journal of the Japanese and International Economies, 50: 1–15.

[2] Higashi, Y. (2020a) “Effects of region-specific shocks on labor market tightness and matching efficiency: Evidence from the 2011 Tohoku Earthquake in Japan,” Annals of Regional Science, 65(1): 193–219.

[3] Higashi, Y. (2020b) “Urbanization effects on job search decision,” RIEB Discussion Paper Series, No. 2020-26.