村井 浄信 ゼミ

村井 浄信 (教授)
チームで研究体験

1~2年次の基礎研究では、何をするのですか?

 経済学の題材を使いながら,コミュニケーション能力の向上を目指します。

 コミュニケーション能力として具体的には,『チーム活動で貢献できる能力』と『プレゼンテーション能力』について,基本的な技術の学習と実践を通して楽しく身につけてもらいます。これらの能力は,みなさんが3~4年次の卒業研究に配属されてから,さらには社会に出てから,必ず役に立つ能力です。
 経済学の題材としては,幸福に関するアンケート調査の分析,人間が合理的な行動を取らないことを上手に利用した社会の仕組みなどについて,入門レベルのテキストを用いて一緒に学びます。
 授業では,みなさんが少人数のチームに分かれて,チームごとにテキストの内容を紹介するパワーポイント資料の作成とプレゼンテーションを行います。このような活動を繰り返し行うことで,みなさんのコミュニケーション能力を高めていきます。

 3~4年次の卒業研究では、どんなことをするのですか?

 経済学に関する研究体験をチームで行います。

 研究体験とは,学生が行う研究活動で,成果よりも研究の過程を重視することが特徴です。

 この卒業研究では,研究分野の近い複数の4年生とその分野に関心のある複数の3年生がチームを作り,チームごとに4年生の卒業研究テーマについて一緒に研究体験をします。研究テーマは,各自の興味に沿って3年生の12月ごろに教員や先輩と相談しながら決めます。これまでの研究テーマには『女性の幸福度』『高校生の時間割引率』『プロスポーツチームの経営効率化』『リーマンショック後の株価変動と大地震後の余震との類似性』などがあります。
 どの研究テーマでも経済データ分析を行うため,研究体験を通じてパソコンを用いたデータ分析の手法を学びます。また経済データ分析の仕組みを理解するため,テキストを用いて分析理論の学習も行います。研究経過について定期的にパワーポイントを用いた発表を行うことで,プレゼンテーション能力を身につけます。さらにコミュニケーションの方法論について学ぶ時間も設けています。

 現在は3つのチームに分かれて研究体験を行っています。以下は各チームからの研究テーマの紹介です。

 

Aチーム

 私たちのチームは、「スポーツや習い事を 私たちのチームでは、「泣くこと」や「出生順による性格の違い」といった感情の表出にかかわるテーマを扱っています。自分たちが興味のある独自のテーマを設定しているものの、できる限りテーマの種類や分析方法が似ている人同士でチーム分けを行っているため、気軽にチーム内で相談しあうことができています。3年生に関してはある程度自分の行きたいチームを選択できるため、興味のある先輩の研究を手伝いながら、自分のテーマ選定に役立てたり、研究の進め方について理解を深めたりすることができます。
 また研究経過発表がある時間には、他チームと混合して議論を行うため、そこで普段かかわりのない人とも意見交換をしあって刺激をもらうことができます。そのほかにも、進路に関する相談や授業に関する相談も気軽に行えています。
 3・4年生問わず、お互いに助け合いながら楽しく活動できるのが、村井ゼミの魅力だと思います。
(Aチームリーダー 山川遥斗

 

Bチーム

 私たちBチームは、4年生4人、3年生3人の計7人で活動しています。3年生と4年生が同じチームで活動を行うことで、学年を超えたつながりを持つことができます。
 チームでは、『Uターン就職』『消滅可能性都市』『観光地へのリピート』『地域への愛着』について研究を行っています。自分たちが興味のある事柄を研究テーマに設定することができるため、楽しく研究をすることができます。使う分析手法や研究の進め方は人によって様々で、時には難しい内容を扱うこともありますが、分からない部分は分かる人に助けてもらいながら、周囲と協力して研究に取り組んでいます。困っている人がいたら助け合おうという、思いやりのあるメンバーがそろっているところがB チームの魅力であると感じています。
 ゼミでは話し合いの時間が多く設けられており、3・4年生が学年を超えて活発に意見交換を行うことで、新しいものの見方も身につき、充実した時間を過ごすことができています。
(Bチームリーダー 中島実優

 

 

 

Cチーム

 私たちのチームでは、「ライフイベント経験から見たストレス耐性と自己肯定感形成の分析」「SNS自己開示度の規定要因の分析」「大学生の生活満足度とその要因について」「どんなリーダーシップの下に良好なフォロワーシップが発揮されるか」といった研究を行っています。見ての通り、異なる研究をしている人たちが集まっています。それは、個人個人が興味のあることをテーマに設定して、自由に研究を行っているからです。幅広い研究テーマを扱っているため、多くの分析方法や取り組みの様子を知ることができます。分からないことがあればチーム内で支え合うのはもちろんのこと、他チームの人や村井先生にも積極的に質問をしたり、皆で協力したりしながら研究を進めています。
 研究以外にも、進路の話やプライベートな話で盛り上がることも多々あります。学年問わず皆が意見を言ってくれるため、お互いにいい刺激を与えあっています。学年を超えて深い交流があるのも、私たち村井ゼミの魅力だと思っています。
(Cチームリーダー 新田朱梨

 

 

先生がゼミで大切にしていることは何ですか?

 ゼミ 生みんなが楽しくチーム活動を行えることを大切にしています。

 ゼミ生たちが自由に発言できるように,打ち解けた雰囲気作りを心がけています。各チームの進行役には,チーム全員が同じ程度に発言しているか,常に気を配ってもらっています。
 1人で時間をかけてゆっくりと考えた上で,ゼミの時間にチームで議論することで,自分の口から思いがけないアイデアが溢れ出す。ゼミ生たちには,少しでも多く,そのような刺激的な体験をして欲しいと願っています。

 


ゼミ生の声

  • 私がこのゼミで特に良いと感じる部分は、卒業研究に自分の好きなテーマや研究方法を採用できることです。自分が知りたいとこについて研究できるということは、熱意をもって取り組む上でとても重要なことであり、また自分自身楽しく研究することができるからです。さらに各ゼミ生が各自興味のある分野について研究するので、今まで触れたことのなかった分野で意外な情報が得られたり、面白い視点からアドバイスをもらえたりします。
     また、ゼミ内でのコミュニケーション論や実際のプレゼンテーションを通して、言いたいことを相手に伝える能力を主観的・客観的に学ぶことができます。聞き手側も、発表内容の疑問点や良い点を探しながら聞くので、話す力と同時に聴く力も身に付けることができます。
     そして何より、ゼミ内の雰囲気が明るいことが村井ゼミ最大の魅力だと思います。この先生や先輩方、同期のゼミ生との距離が近く、意見を出しやすい環境が、活発な話し合いができる最大の理由だと思います。ゼミに参加するといつも活力を貰えるので、明日からも頑張ろう!という気持ちになれます。
    藤原咲耶(兵庫県立西脇高等学校卒,2020年入学
  •  村井ゼミの特徴は自由度がとても高いということだと思います。研究テーマも自分の興味のある内容にできますし、どのような分析方法を使って研究を行うかも自由です。先輩の研究テーマを聞くとどのテーマ内容も各々異なり聞いていて興味深く面白いです。各々が異なるテーマで研究しているからこそ客観的な視点から意見ができ、思わぬ角度からの有用なアドバイスがもらえたりします。私は、自分の中で大学生活の集大成として何かやりたいと思っていたのでこの自由に研究を決めて行える環境があることに強く惹かれてこのゼミに決めました。
     またデータ分析というとRやExcelといった分析ツールの使い方や確率変数・正規分布などについて知っておかないと不安と思うかもしれませんがゼミの時間の中で学ぶ日が用意されていたり、村井先生に気軽に相談できたりするのでその心配無用です。統計系の授業をあまりとっていなかったり、数学が苦手だという人も大丈夫です。
     最後に村井ゼミでは3・4回生合同のチーム活動を行っているのでゼミ生同士の距離が近く、気軽に意見を出し合うことができます。この雰囲気の良さというのも村井ゼミの魅力であり、話し合いの中で良いアイデアを出す原動力になっているのではないかと思います。
    田渕快(兵庫県立姫路東高等学校,2021年入学