江原大学校(韓国)との交換留学体験記

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江原大学校(韓国)との交換留学体験記

経済学部は韓国の江原大学校経営大学(日本の経営学部に相当)との交換留学を実施しており、そこで経営学と経済学の分野を学べます。江原大学校がある春川市はソウル市中心部を流れる漢江上流域に位置し、風光明媚な観光地としても知らせれています。(「冬のソナタ」のロケ地にもなっています。)
 派遣は原則として9月から1年間となります。留学先で取得した単位は卒業単位に読み替えることができ、留学期間1年間を含めて4年間で卒業できます。渡航費と生活費は自己負担ですが、江原大学校の授業料は免除されます。EPOKと同様に奨学金制度を利用できるチャンスもあります。

交換留学体験者のコメント

白神 稜 さん

江原大学校
2008年9月~2009年9月

 私は,1年間,韓国の江原経営大学校で,本当に充実した楽しい毎日を送ることができました。韓国語でうける専門科目の講義は予習・復習・課題と順々にこなすことで,理解を深めることができ,韓国語の上達にもつながりました。 また,授業の中で発表をする機会も多く,江原大学校の学生はパワーポイントを利用してとても上手に発表をします。私も5回ほど発表する機会があったのですが,非常に刺激を受け勉強になりました。
 放課後はサークル,アルバイト,友人と食事に行くなど予定がぎっしりと詰まっていました。いきつけの焼肉店のおばちゃんには「日本の娘」とまで可愛がっていただきました。こうした授業以外の場所で生の韓国語を学ぶことができたと思います。 友人の輪も日本人・韓国人にとどまらず,中国・ベトナム・モンゴル等々まで広がり,さらに学生から社会人にまで広がりました。様々な人と交流することで視野が広がり,柔軟な考え方をもてるようになったと思います。 留学は意欲を持って行動すれば,すばらしい経験を積ませてくれます。特に江原大学校のある春川は自然が豊かで,1年を通してイベントも多く留学生活をいっそう楽しませてくれると思います。経済学部生だからこそ行けるこの留学制度をぜひ活用してください。

野田 しおり さん

江原大学校
2004年9月~2005年7月

 私は2004年9月から一年間、韓国の江原大学校に交換留学をしました。私のなかで、この留学生活はとても有意義なものとなりました。これから、その生活の一部や私の感じたことをお話してみようと思います。これをご覧になっている学生のみなさんもぜひ参考にして、留学を考えてみてはどうでしょうか。
 江原大学では教科書が英語の場合もありますが、基本的に韓国語の教科書を使って、韓国語で授業を行います。日本のような大きな講義室ではなく、40~50名程度が入る教室で他の国の留学生や韓国人の学生と一緒に授業を受けます。韓国語については、留学生のための授業として準備されたものもありますが、語学院というところでボランティアの先生方が教えてくださるものもあります。その授業は3つのクラスに分かれており自分のレベルに合わせて行きたい授業にいくこともできるので、2つ以上のクラスに出ることも可能です。また、江原大学の特に経済学部では留学生に対しとても親切な先生方が多く、さらに日本語に興味を持ってくれたうえに非常に親しくしてくれる学生の多かった事が印象的でした。
 学校行事では留学生の旅行(日帰りあるいは一泊)があり、国民的な行事としては陰暦の正月やお盆、および師匠の日(恩師に感謝する日)などの日本とは違った祝日・祭日を経験できました。反対に韓国でもこどもの日や母の日(韓国では両親の日)があるので似ている点も多いと感じました。
 江原大学のある春川市は自然が多いので間近でリスを見ることができ、また、その地方の特産物としてもどんぐりを原料としたこんにゃくの料理があります。冬になると雪景色がとてもきれいで私は友達とスノーボードに行ってきました。
 寄宿舎に関してですが、私の過ごしていた寮は第3寄宿の翰西館で、ほとんどが留学生と韓国人の大学院生でした。食事は寄宿舎の前に食堂があり、毎日の3食については、決められた時間内であれば食事をする事ができます。部屋は2人部屋でトイレとシャワーは共同です。また、休憩室にはテレビがあります。ですが、現在新しい寄宿舎を建設中で来年の今頃には完成しているはずですから、部屋は1人になる可能性もありますし食事も自炊という形になるかもしれません。部屋は無料でインターネットが簡単につなげるので、パソコンを持って行けばインターネットもすることが出来ます。
 外国での生活は初めのうちは大変だと感じる事もありますが、慣れれば住みやすく特に春川市は治安も良い方だと思います。言葉についても努力次第でどこまでも伸びる可能性があります。私はこの留学中、日本に帰る日が近づくにつれ、もっとここに居たいという思いが強まりました。そのくらい私にとってはとても貴重な時間となったからです。今でも韓国に居る友達と連絡をとったりもします。私は、このような留学の機会は恐らく学生時代にしかないと思います。外国での生活、学習、また韓国と日本の交流という意味でも、そして人と人との交流という意味でもこの留学で多くのことを学ぶ事ができました。これからもこの留学を通して私と同じように感じてくれる人が多くいればと思います。

渡辺 孝一郎 君

江原大学校(中央の青いTシャツが渡辺君です)
2004年9月~2005年8月

 私は2004年9月から2005年の8月までの1年間を岡山大学経済学部の国際交流の一環として韓国の国立江原大学に留学し、そこで経済学を学んできました。
 もともと、韓国へ渡航時の私の韓国語能力は初歩の初歩であったため、留学当初はまず韓国語の習得を第一の課題として頑張っていきました。しかし、それと平行して経済学の授業も受けなければならず、かなりの苦労を強いられました。特に留学してからの1ヶ月間は授業に出ても教授が何を話しているのかまったくわからず、ただ座っているだけの状況が続きました。
 しかし自前の適応能力と周りの多大なる支援のおかげで、徐々に韓国生活に慣れることができました。特に当初苦労した韓国語もボランティアの先生方による毎日の授業、さらには多くの友達のサポートのおかげで、3ヶ月でほぼ聞き取れるようになり、6ヵ月後には日常生活で支障の無い程度まで自然に話せるようになりました。
 そのようなこともあり、授業も少しずつ理解が進み、韓国人の友達とグループを作り様々な課題に取り組みました。その一つとして「国際マーケティング」の授業で韓国風豚の焼肉専門店を日本に展開するという取り組みは今でも深く印象に残っています。もともと発表が苦手な私でしたが、ここで母国語の日本語ではなく韓国語で、さらに一人で10分間も発表できたことは、今後の私に「どんな発表でもやればできるんじゃないか」という大きな自信を与えてくれました。
 さらに、「東北アジア経済論」では「日韓FTAの現状と今後の課題」という発表をし、また世界を取り巻いているFTAの波の中での日韓の姿勢を改めて確認できました。聴講という形で受けた「日本経済の理解」という授業では、母国日本を客観的で新たな視点から見ることができ、多くのことと新しい視点から学ぶことが出来ました。
 そして、何よりも私がこの留学を通してもっとも重要視したものは、やはり「交流」でした。奨学金のおかげで経済的な余裕があったために、私は、週3回、日本語を勉強したいという人たちに日本語をボランティアで教えていました。そこ(私的な日本語教室)には、江原大学の学生をはじめ他の大学の学生や会社員、さらには大学の先生まで多くの人が集まり、和やかなムードで勉強をすることができました。時にはお好み焼きを作ってみたり、時にはみんなで旅行に出かけたり、お酒を飲んだりと普通の授業の形ではなく、日常に密着した「生きた日本語や文化体験」を通して楽しみながら日本語を一緒に勉強しました。このことで私自身も韓国語はもちろん、多くのことを学ぶことができました。さらには、かけがえの無い友達も多く作ることができ、その中で親しい友達の一人は来年から日本に留学することになりました。私の日本語教室が、少しは役に立ったのかと思うと、改めてこの留学が大きな意味をもっていたのだと実感できます。
 私の留学中には、ちょうど竹島問題や教科書問題が話題になり、日韓の関係が悪化する事態も起きてしまいました。しかし、政府間レベルではなく、私たちの日常生活にはほとんど影響は無く、ちょっとした世間話の一つとして酒の席で俎上にあがるぐらいでした。つまり、日本人も韓国人も、個人同士ではそんなことで諍いを作ることは好んでいないのです。みんなもっと仲良く暮らして生きたいはずです。その為にも、今回の留学を通して私はまずは庶民レベルから少しずつでも良いから、より交流を深めていく必要性を感じました。よって、交換留学生の役割は大きいと思われます。交換留学生をより支援していくことで日本を含め世界の相互理解が深まり、平和の絆を作っていけるのではないでしょうか?私は今回の留学を通して、改めて交換留学生の重要性を感じ、さらにはこれからの私自身にもそのような日本と世界の橋渡しとなれるようなことをしたいと再確認できる留学となりました。そしてこのような機会を与えてくださっている岡山大学経済学部に多大なる感謝をしております。もし韓国に留学してみたいと思っている方がいらっしゃるならば、是非この交流プログラムに挑戦することをお勧めしたいと思います。きっとあなたの人生の中で大きな鍵を握る1年になるでしょうから…。