原田尚さん(ターブル・ハラダ)

2017年度第1回目の卒業生の声は、岡山市内でフレンチビストロのターブル・ハラダを経営されている原田尚さん2006年3月卒業)、今回のインタビュアーは奥谷水悠さん(2016年4月経済学部入学)です。

1.学生時代について 


 当初は、具体的な目標もなく入った経済学部でしたが、講義を受けていく中で、国際経済の分野や、経営に関する分野に興味を持ち始めました。この頃から漠然と、いつか自らで経営をしたいという思いが芽生えました。

 一方で、大学の春休みを利用して2度ヨーロッパへ渡りました。アルバイトで貯めた、なけなしの費用での滞在でしたが、そこでの体験が今の仕事の原点にあります。卒業論文もヨーロッパに関する論文を書きました。


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卒業からターブル・ハラダを開業するまでの時期について

 卒業後は、食品小売の上場企業に入社し、約7年間勤務しました。そこで日々の経営数値の管理や分析、マーケティングなど、経済学部で学んだ事を実践しました。同時に現場で必要となる衛生管理者、調理師、販売士などの資格も取得しました。会社員時代に学んだ、これらの実践経験と知識は、現在の仕事にも大きく役立っています。

3.開業するきっかけについて

 自分の飲食店を持つ事は、かねてからの目標でした。独自で料理の勉強や事業計画をまとめながら、具体的な開業時期は決めずに、飲食業界の動きや、店舗物件情報などにアンテナを立てていました。そんな中、自分に合う物件が見つかったのを機に、具体的な開業スケジュールを計画し、2013年にオープンに至りました。

 4.現在の仕事のやりがいについて

  1つには、サービスを消費されるお客様と、面と向かって仕事ができるという事です。目の前のお客様に、精一杯のサービスをご提供し、その場で直接お客様のレスポンスをいただける事は、大きなモチベーションにつながります。

  2つ目は、サラリーマンと違い、事業主ですので、自らの決断の一切が自己責任となる事です。厳しい部分ではありますが、そこが経営者の1番の醍醐味(=やりがい)と言えるでしょう。

5経済学部の後輩たちへのメッセージについて

 大学時代は、それまでに比べ、視界が大きく広がる時です。この時期に、より多くの知識、経験、人脈、様々な事を吸収する事で、その先の選択肢も広がります。思い返してみると、私が入学した時は、自分の将来のビジョンは決して明確ではありませんでした。しかし、在学中に様々な事を柔軟に吸収できた経験が、現在までの仕事の一助になっていると感じます。特に経済学部は、卒業後の進路が多岐にわたると思いますので、漠然とした中でも、広い視野と柔軟さを持ち、多くを吸収し、将来に活かしてください。

2006年3月卒業、岡山県立倉敷天城高校卒業

 インタビューアー:奥谷水悠さん(2016年4経済学部入学)

(2017年5月)