経済経営特殊講義

経済経営特殊講義

 経済学部では、岡山経済同友会が会員企業の経営者等を大学等に講師として派遣する「ボランティアプロフェッサー制度」を活用して、実践的講義を開講しています。この講義は、岡山県の企業経営者等6〜7名をメインとするオムニバス形式の講義で、各企業・機関の経営理念や具体的な企業活動、例えば、起業、新事業展開、海外進出、製品開発、多角化、財務・人事改革等を題材として企業(機関)の経営一般のあり方や経済の現場の見方等を学ぶことができるものです。そして、経済学部の通常の講義で学ぶ経済・経営・会計に関する理論・政策・歴史と この講義の内容を比較することによって理論や政策、歴史を学ぶことの現実的な意味を確認できます。

 これらのことによって卒業後、どのような業種、ビジネス・モデルを持つ企業に就職するのか、あるいは起業するにはどのような能力が必要なのか、さらにはこれらの企業を誘致・育成していくためにはどのような施策が必要なのか等を自ら考える力が身に付くことと思います。

              

岡山経済同友会[小嶋光信 (前)代表幹事]のコメント
 「企業は人なり」といわれていますが、今日の経営ほどこの人材を必要としている時代はないでしょう。情報化・国際化とともに、円高が進み、経済が成熟化して日本経済の産業構造は急速に転換し、より高い付加価値を生む産業へと移っていかなければなりません。そのために何が必要かといえば、それは個性的で創造性が豊かで、かつ意欲的な人材です。この人材づくりを目的として、岡山経済同友会が全国に先駆けて「ボランティア・プロフェッサー制度」を創設しました。 岡山大学経済学部では、1996年度からこの制度を活用して、地元経営者による講義を取り入れています。経営者が生の声で経済の実態や問題点、事業の夢などを熱く語りかけ、学生の皆さんにこの時代の流れを的確につかんでいただきたいと思っています。
教員[津守之 教授]のコメント

 この講義の直接の目的は、以下の4つです。

  1. 経済の現場、とりわけ経営責任者からみた現場を知ってもらうこと
  2. 通常の大学での講義との違いを認識するとともに、大学での講義と実際の経済活動との関連を考察してもらうこと
  3. 経済の現場についての経営者の認識も業界や経営者のタイプによって異なることを知ってもらうこと
  4. 1~3をを通じて、現実の経済現象の多様さ(間題とそれへの解答の多様さ)を知ってもらうこと

これまでのところ、上記の目的はほぼ達成されていると思います。そして、この講義が経済学部の教育サービスの豊富化につながっていることは言うまでもありません。

  経済学部は従来の大学教育とは異なるアプローチで学生の潜在能力の顕在化あるいは能力向上をはかる仕組みとしてこの講義を位置づけています。そのため今後も社会の要請に対応してこの講義を柔軟に組み替えていく予定です。また、この講義は岡山大学経済学部と岡山経済同友会の間の強い信頼関係にもとづいて運営されているものであり、今後の両者の連携強化とそれによる新たな産学連携の基盤となっています。

 

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